当社は、「より安全に、より効率的に」をモットーに日々建設現場で活躍するタワークレーンの多角的な研究を重ねています。

【産学連携】2層受け桁レストクレーンの研究開発

芝浦工業大学(工学部・機械工学科)との産学連携で2004年から2層受け桁レストクレーン研究を続けています。このクレーンは、①クレーンのジブをレスト(折り曲げる)装置と②2層受け桁を設けて、クレーンの荷重を8カ所に分散する新機構を搭載する事で、地震時の建物躯体へのリスクを軽減すること、またスピーディーな暴風・地震対策と高品質の建物躯体を維持する目的で、このレストクレーンの開発を目指しています。

レストクレーンの長所として、次の効果が有ります。(条件:建物内に設置)

  1. 人の往来が激しく災害が発生すると社会的影響の大きい場所、例えば、駅舎建設、鉄道関係工事や駅前再開発工事などでは、安全にジブレストが行えます。
  2. 躯体内で安全ネットが張れ、外建てに比べ、安全なクライミング作業ができます。
  3. 2層受け桁でクレーン荷重を分散でき、少ない荷重で高品質な建物を建設できます。
  4. 従来のクレーンに比べて部材(マスト、ボルト、ステー材、アンカー)が少なくなり、輸送コストを低減できます。
  5. 巻ワイヤーの片方でシーブ効果を作用させ、ジブの起伏を助ける事でエコなクレーンとなります。
  6. 起伏を油圧シリンダーで行う事で、シーブ、ワイヤー、ブレーキ、リミットスイッチ等の機械要素が減り、安全性が高まります。
項目 特許出願日 出願番号
2層受け桁レストクレーンの研究開発 2003年11月20日 特願2003-425882

JCC-Vシリーズのバックアップ回路開発について

1)開発の目的

一般的に駅及び鉄道関係の工事では、夜間電車が運休している時間帯にクレ-ンの設置作業を行い、稼働しております。 クレーンの稼動時に不慮の故障で軌道上に停止すると、交通機関を停止させ、社会に混乱を招きかねません。そこで故障の際に迅速に復旧することを目的とし、クレ-ン制御器(インバ-タ-)の予備を搭載しました。

2)特徴

特徴は3動作(巻上・起伏・旋回)のいずれにも対応し、短時間で予備の制御機器 に切替えて・復旧させることにより、作業再開が可能となります。

項目 特許出願日 出願番号
JCC-V600シリーズのバックアップ回路について 2003年10月29日 特願2003-368629
(共同申請)

「作業範囲規制装置」について

1)背景について

近年タワークレーンを採用する鉄道工事が増加しています。鉄道工事では万が一の事故の場合、その社会的影響は計り知れないほど大きく、安全に対して細心の注意が要求されます。その様な状況の中、タワークレーンにはクレーン運転士の技術で補えない部分を機械的な作業範囲規制でカバーします。

2)効果

従来の作業範囲規制装置は二次元的にタワークレーンの動きを規制していましたが、新しい規制装置は三次元的にタワークレーンの動きを規制する事により、より自由度の高い作業範囲規制が可能になりました。昼(電車の走っている時間)と夜(終電後)の規制範囲を切り替えるしくみも採用しました。また、複数台のタワークレーンを設置する工事においても、タワークレーン同士がお互いの現在の位置を認識して制御する衝突防止機能も付加しています。

項目 特許出願日 出願番号
作業範囲規制装置 2007年2月6日 特願2007-26351
(共同申請)